吉武達がデジタルワールドに来てから21日目…

吉武とモノクロモンはスクリープ地方の密林を歩いていた。ケンタルモンから貰った地図によれ
ば、この森には集落がある。順調に行けば今日の夕方にはたどり着くだろう。

「暑いね…」

吉武が今日その言葉を口にした回数は何度目だろうか?密林に入る前は砂漠を歩いていた
ので、ここ三日間で「暑い」という類の単語を口にした回数は百を超えているだろう。

「うん、暑い」

そしてモノクロモンが一言二言返す。それがここ三日間の会話のほとんどだった。

「なぁ、ヨシタケ…」

「…何?」

しかし今回は少し違った。モノクロモンがここ三日間疑問に思っていた事を口に出したからだ。

「何で長袖脱がないんだ…?」

吉武の服装は長袖の薄手のシャツと、青いジーパンだった。デジタルワールドに来てからこの
服を何度も洗濯して使っている。

「…何かの本で読んだんだ。密林では蚊や小さい虫に刺されるのを防ぐ為、長袖の方がいい
んだって…。砂漠でも直射日光を防ぐ為に着るって…」

「ふぅん…」

こうしてテンションの低い会話は打ち切られた。


第10章 暗殺者―under world―


しばらく歩くと、モノクロモンが何かに気付いた。

「なんか、ドドドッて音がするぜ…」

「えっ!」

吉武はデジモンの足音かと思い、緊張して耳をすませる。しかし音は調子が変わらず、音が大
きくなる様子もない。吉武はある事に気づき、背負ったリュックの中から地図を取り出す。

「やっぱり!この近くに滝があるんだ!!」

地図を見て吉武が叫ぶ。その言葉を聞いたモノクロモンの表情も明るくなった。

「早く行って見ようぜ!」

モノクロモンと吉武は音と地図を頼りに滝を探した。地図のおかげか、すぐに川が見つかった。
川の水は滝となって崖の下に落ちていく。

「よっしゃぁ!飲むぞぉ!!」

モノクロモンは川岸に走っていき、水面に顔を近づける。その時だった。対岸から一匹の巨大
な蜂が飛び出してきたのは。

「モノクロモン!?」

「チィィ!」

巨大蜂の体の色は黄色と毒々しい赤紫で、頭部に複眼のような物はなく、目に当たる部分に
稲妻形の模様があった。

「デッドリースティングッ!」

叫ぶと同時に巨大蜂は鋭い針のついた尾部を振り上げ、モノクロモンに向かって振り下ろす。

「クッ!」

モノクロモンは巨大な角を振って、角の側面で針を受け止める。その光景は大剣で敵の武器
をガードする戦士にも似ていた。

「ほう。情報どおりのたいした防御力だ」

巨大蜂は感心したように言った。しかし、巨大蜂の昆虫的な嘴は針が受け止められた瞬間か
ら笑みがこぼれていた。まるで攻撃が受け止められた事によって自分の勝ちが決まったと言
わんばかりに。

「てめぇ…なに笑ってやがる!」

モノクロモンは巨大蜂の笑いに気付き、角に更に力を込める。巨大蜂は素早く後ろに引く。

「このぉ!」

モノクロモンは更に角を左右に振って迎撃しようとするが、その攻撃もかわされる。相手は空を
飛べる上、川の上を飛び回っているため攻撃を簡単に避けられてしまう。

「なんだろう、この感じ…」

吉武はその戦いを見ながら呟いた。吉武は巨大蜂のデジモンから、何か「違う」物を感じてい
た。草原の農場や砂漠の集落に住んでいたデジモン達とも、ザッソーモンやメカノリモンのよう
な小悪党とも、ケンタルモンやデルタモンのような歴戦の戦士とも違う何かを。

「ヴォルケーノストライクッ!」

モノクロモンは巨大蜂が自分の正面に来た瞬間を狙って溶岩弾を放つ。しかし巨大蜂は素早く
垂直上昇してかわす。

「クッソ〜」

モノクロモンが歯軋りを立てる。その時だった。モノクロモンの巨大な角が、ミシリ、と音を立て
た。そして次の瞬間、角は風化した土の塊が割れるように、ボロッ、と中ほどから折れた。

「え!?」

「なぁぁぁぁぁっ!?」

吉武もモノクロモンも驚きを隠せなかった。モノクロモンは特に驚きが大きいようだ。

「やはり角に撃ちこんだだけでは駄目か…」

巨大蜂はそう言ってモノクロモンに向かって急降下していく。彼の嘴の端は相変わらず歪んだ
ままだった。

「このぉっ!!」

モノクロモンはそう言って鼻先を振るう。しかし、何度もそうやって
相手の攻撃を討ち払った角は半分程の長さしかない。

「デッドリースティングッ!」

巨大蜂はスルリとモノクロモンの攻撃をかわし、体をひねって尾部をモノクロモンの腹の下に滑
り込ませ、針を突き刺した。その光景はまるで相手のパンチをすり抜けてカウンターを放った
ボクサーのようだった。

「ぐぁぁっ!」

モノクロモンが横転した。巨大蜂はすぐさま急上昇しその場からさった。

「モノクロモン!」

吉武はモノクロモンに駆け寄る。モノクロモンの体は痙攣を起こしている。

「ど、どうしよう!モノクロモンが…」

吉武はパニックになり、どうしたらいいのか分からずに立ち竦んでいる。

「と、とりあえず毒を吸い出した方がいいのかな…」

吉武は慌てて顔を傷口に近づける。

「ヨシタケ!おちつくんだ!」

モノクロモンが叫ぶ。

「あっ…。そうだ!ケンタルモンさんから貰った本の中に…!」

その声を聞いて我に帰った吉武は、荷物の中から一冊のノートを取り出した。ケンタルモンが
書いた様々な種族のデジモンのデータが書かれているノートだ。

「あった!このデジモンだ!」

吉武はノートの中からさっき戦った巨大蜂が載っているページを見つけた。

「フライモン…成熟期…昆虫型デジモン…ウイルス種…
必殺技は毒針を使って攻撃するデッドリースティング…!」

やはり毒針か、と吉武は思った。モノクロモンの角が折れたのも毒針を角で受け止めた時、僅
かに引っかかれた部分から毒が入ったからだろう。末端器官である角から毒が体に回る事は
無かったが、毒が角の内部組織を蝕んだのだろう。

「毒に犯された時の対処法は…」

フライモンの毒は致死性ではないらしく、大型のデジモン程毒が回り難いようだ。幸いケンタル
モンから貰った薬類を調合すれば解毒剤は作れそうだが、モノクロモンのサイズでは量が1
0%ほど足りないようだった。

「どうしよう…90%もあれば大丈夫かなぁ…」

そう言いながら読んでいると、ある種類の花のつぼみ部分で代用できる事が書いてあった。吉
武は辺りを見回してみると、その種類の花が幾つも咲いていた。花弁に電子製品の基板のよ
うな模様のある黒い花だ。まだつぼみのままの花は少ないが、この密林を探せば残り10%の
代わりにはなるかもしれない。

吉武がそう考えたとき、その項目の最後に「傷口から毒を吸い出すのは吸い出した者にも毒
が回る危険性があるので決してやっていけない」と書いてある事に気付いた。

「…ありがとう、モノクロモン」

吉武はありったけの薬を使って解毒剤を調合し、それをモノクロモンに飲ませた。モノクロモン
は喋る事が出来ないほど舌が痙攣しており、高熱も出てきている。

「必ず…助けるからね!」

吉武はそう言ってリュックに頭ほどの大きさの黒い岩の破片の様な物を入れた。モノクロモン
の角の破片だ。吉武はデジタルワールドに着てからずっとモノクロモンと一緒に行動していた。
しかし、今は一人で行動しなければならないのだ。いつデジモンに襲われるかも知れない恐怖
を抑える為、お守りとしてリュックに入れたのだ。

吉武は、恐怖を振り払うように走り出していった。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

「ふむ…厄介な事になったな…」

羽ばたきの音を抑えて密林の上空に滞空している巨大蜂、フライモンが呟いた。

「あの人間が解毒剤の作り方を知っているとはな…」

ターゲットに毒針を撃ちこみ、やがて毒が体を蝕み、ターゲットが息絶えるのを待つ。それが暗
殺者フライモンの殺り方だった。もちろん、猛毒といえども解毒剤などの対処法はある。しか
し、それの対処法を事前にスイープするのがフライモンの殺り方だった。今回は身を隠す物が
多く、近くに集落もない密林で、水辺で待ち伏せをして毒針を打ち込む作戦だった。モノクロモ
ンは手先が器用な種族ではない。解毒剤の生成は不可能だろう。

「奴はそれなりにこの世界の知識があるようだな。だが俺に見つけられたのが運の突きだ」

フライモンは毒針をターゲットに打ち込んだら、反撃を受けないように遠くに逃げるのが彼的な
暗殺のセオリーだった。そして様子を伺いにくれば、歯牙にもかけていなかった人間が解毒剤
を生成しようとしている。

「あの人間が解毒剤の作り方を知っていたのは誤算だった。だが、簡単に修正できる誤差だ」

フライモンは四枚の薄い羽を小刻みにすり合わせるように振動させた。赤紫の鱗粉は、森の
中で花のつぼみを集めている吉武がいる一帯に降り注いだ。

「よし、これだけあれば…」

吉武は基板のような模様のついた花のつぼみで一杯になったリュックを担いだ。

「30分は経ってるよね…急がなきゃ!」

そう言って吉武は駆け出そうとするが、足がもつれて倒れてしまった。すると今度は吐き気と頭
痛が遅い、送れて手足や舌が痺れてきた。

「う…うぇぇ…」

頭痛に耐えながら辺りをうかがうと、赤紫の粉が振っている事に気付いた。力を振り絞って上
空を伺うと、フライモンが滞空している事に気付いた。

「ポイズンパウダー…」

フライモンは高度を落とし、より多くの毒鱗粉が吉武の体に降りかかった。さらに猛烈な吐き気
が襲い、吉武は思わず地面に吐いた。

フライモンの「ポイズンパウダー」は本来目くらまし等に用いる物で、デジモンを死に至らしめる
程の毒性はない。しかし、戦闘能力も低く、デジタルワールドのウイルスに免疫の無い人間が
長時間吸い続けた場合、命の保障は無い。

「う…」

吉武はさっき吐いた事で極僅かだが吐き気や手足の痺れが和らいだようだ。藁にもすがる思
いでポケットにも詰め込んでいた花のつぼみをとると、それを口に押し込んだ。舌が痺れてい
たので味は分からなかった。

「何…!?」

再び吐き気や手足を動かす事も出来ない程の痺れが吉武を襲った。だがそれに追いつく様に
スッとした感覚が喉や手足を伝わる。吉武は立ち上がって走り出した。吐き気や頭痛はまだ少
し残っているが、そんな事をいっている場合ではない。

「勘のいい奴だ…!」

フライモンは憎憎しげに言うと、低空飛行しながら吉武を追う。モノクロモンがいる場所までは
全力疾走しても10分弱かかる。吉武の走る速度とフライモンの飛行速度では比べ物になら
ず、一分もしない内にフライモンは吉武を射程距離に捕らえる。

「デッドリースティングッ!」

フライモンの尾部から毒針が弾丸のように発射される。

「うあっ…!」

吉武の背中に強い衝撃が走り、後ろから突き飛ばされたように転倒する。

「終ったな…」

毒針は背中のリュックを貫いて吉武に突き刺さった。人間なら十分もしない内に毒が回って死
ぬだろう。フライモンは「仕事」の成功を確信した。

「う…」

しかし吉武は立ち上がり、再び走り始めた。

「な…?」

フライモンは暫し呆然としていたが、すぐに我に帰り、再び吉武を追う。最大加速で近づき、前
脚で吉武の脚を捕まえて急上昇する。

「うわぁぁぁぁぁっ!?」

吉武は逆さ釣りになる格好で中に持ち上げられ、衝撃でリュックに刺さっていたフライモンの毒
針が抜け、空いた穴から黒い頭ほどの大きさの板が地面に落ちた。

「あのモノクロモンの角の破片か…!」

フライモンは毒針が効かなかった理由に気付く。

「散々手間取らせてくれたな…」

フライモンの頭部の稲妻型の模様が歪む。吉武はフライモンが自分を睨みつけているのだと
分かった。吉武はフライモンの手から逃れようと、手足をばたつかせたり、体をよじったりして
みたが、フライモンの手が緩む気配は無い。

「無駄だ。このまま噛み千切ってくれる…」

フライモンは嘴をガチガチと鳴らした。

「ヒッ…」

「恐いか?恐くて声が出ないか?そうだ。それでいい。いつものようにそうやって怯えていれば
いいんだ!」

「いつもの…?」

吉武が搾り出したその言葉に、フライモンの顔の模様が歪む。笑っているのだ。

「そうさ。俺はいつもこんな事をしている。金を貰ってな」

「お金…?まさか!?」

「そうさ、俺は暗殺者だ。いつも金を貰って頼まれたデジモンを殺している。この毒針でジワジ
ワと苦しませながらな!」

吉武はショックだった。暗殺者の存在よりも、それらに暗殺を依頼するようなデジモンがいる事
が。吉武が今まで出会ったデジモンは皆ドロドロした、どす黒い物とは無縁な物ばかりだと思っ
ていた。メカノリモン達の様な乱暴物や、本能のままに生きる凶暴なデジモンはいても、平気で
命を奪い、それを生業として生きるような者や、それらを利用するような者はいないと吉武は思
っていた。

「ウソだ!暗殺者なんて職業が成り立つなんて…」

「ウソ?俺は隣の大陸で調子に乗って暗殺の依頼を受けすぎたせいで表と裏の両方から目を
つけられたんで、この大陸に来たのさ。俺が以前いた巨大都市にはな、俺みたいな暗殺者や
それをガンガン雇っている連中がたくさんいたぜ」

フライモンは笑いながら言う。

「そんな…」

「デジタルワールド中、俺見たいなのは何処へでもいるぜ…。じゃぁな!世間知らずの人間さん
…」

フライモンは大きく口を開き、吉武に噛み付こうとする。

「ヴォルケーノストライクッ!」

突如、密林からフライモンに向かって放たれた溶岩弾がフライモンの右羽を掠めた。

「うぉぉぉぉっ!?」

「うわぁっ!?」

フライモンは衝撃に思わず吉武を放し、吉武は木の枝に引っかかる。

「あ、熱いっ!」

フライモンのうすい右羽には火が灯り、フライモンはバランスを崩して墜落しそうになる。フライ
モンは何とか姿勢を整えながら、川に近づき、川に羽を突っ込んで火を消した。気付くと川岸に
はモノクロモンがおり、よく見ればそこは自分がモノクロモンに毒針を撃ちこんだ場所だった。

「ヤレヤレ…無理して動くのは体に悪いぜ?」

モノクロモンの毒はリュックに入っていた薬で少しは中和されていた。しかし、モノクロモンが無
理をして動いているのは誰が見ても一目でわかっただろう。

「ウォォォォッ!」

モノクロモンは毒で体が蝕まれるのにも構わず、フライモンに突進する。フライモンは余裕で避
けようと羽を羽ばたかせる。

「うぉっ!?」

しかし、焼け落ちて半分程の長さになった右羽のせいでバランスが崩れ、フライモンは頭から
川に落ちる。モノクロモンは川の中に突っ込み、フライモンに尻尾を叩きつける。

「ガッハッ!?この…」

モノクロモンは更にフライモンの腹部に噛み付き、フライモンの体を川底や川岸に叩きつける。

「てめぇ…動けるなら逃げればよかったって思わせてやるよ!」

フライモンは六本の脚をモノクロモンの体に絡みつかせ、外骨格に覆われた鋭い指を硬質化
していない灰色の皮膚に突き刺す。

「ふむぉぉぉぉぉっ!」

それでもモノクロモンの力は緩まないどころか、ますます強くなる。

「この…!」

フライモンは尻尾の毒針をモノクロモンに突き刺そうと尾部を動かす。

「ふがぁぁぁぁぁぁっ!!」

「ブッ!?」

その時、モノクロモンはフライモンを押さえつける形で、自分の頭部ごとフライモンの体全体を
水中に沈めた。フライモンは毒針を突き刺そうともがくが、毒針は先端が左右に振れるだけで
モノクロモンには届かず、発射してもあさっての方向に飛んでいくだろう。偶然にもモノクロモン
の押さえかたは、間接技…サブミッションのようにフライモンの間接を極めていた。

「グ、ガバババババ…」

程なくして、窒息して気絶したフライモンが水面に浮かび、そのまま滝までフライモンは流され
ていった。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

「なるほど、そのような事があったのですか」

茶色い、毛玉のようなデジモンがいった。その姿はモノクロモンが以前戦ったモジャモンによく
似ていた。

「ああ、本当に大変だったぜ」

「やっと木から下りたと思ったら、ぐったりしたモノクロモンが
川岸にいるんだもん。ほんと驚いたよ」

二人がいるのはジャングルモジャモンを中心とした密林の集落だった。あの後、吉武の集めた
花のつぼみを食べさせてから数時間たったらモノクロモンは全開した。二つに折れた角はとり
あえず添え木を当ててロープで縛っておいた。リュックに入れていた細かい破片は見つからな
かった。日が沈んでから歩き始めたので、密林の集落にたどり着いたのは真夜中になり、是
非とも旅の話が聞きたいと長老が言うので、二人は長老の家に行ったのだった。

「ホホ、それにしても私は二度も人間に会えるとは思いませんでしたよ」

「「二度!?」」

長老のジャングルモジャモンの言葉に二人は目を輝かせた。

「もう7、80年も前になりますか…この村に貴方より少し上くらいの年齢の人間が一匹のデジ
モンと一緒に訪れたんですよ。デジモンの方の種族は覚えておりませんが、人間の方は貴方と
同じ『男』でしたよ」

「そ、それで!?その人たちはどうなったの!?」

吉武は身を乗り出して聞く。

「人間の方はもとの世界に帰る為に旅をしていて、デジモンはそれを手伝っていたそうです。そ
こで、私は彼らにこの村に伝わる伝承をお教えしました。この集落からずっと南にいった所は
遺跡があって、人間のいる世界にいけるゲートがあると」

吉武とモノクロモンは一言一句も聞き逃さないよう、全神経を耳に集中していた。

「しかし昔から伝承を確かめに行った者は二度と帰ってきませんでした。人間とデジモンは伝
承を聞くと、直ぐに南へ向かいました。そして彼らは戻ってきませんでした」

「って事は…伝承は本物だな!その人間はゲートで元の世界に帰ったから戻ってこなかったん
だ!」

モノクロモンが叫んだ。

「行こう!その遺跡へ!」

吉武は立ち上がって叫んだ。その瞳は希望に満ち溢れていた。


NEXT→第11章 信じる事疑う事



戻る